言わば人間以下として放置される人たちが増えている。80年代までは、そういう貧者が増えれば階級闘争が激しくなると思われていたけど、今は彼らがプロレタリアートとして組織化され立ち上がる予感は全くない。それどころか保守化してファシズムの担い手になっている。例えば橋下徹・大阪市長に拍手をし、近隣諸国との軍拡競争を支持する層の多くは非受益者、貧困者なんです。
昔は虐げられている労働者の多くは左翼の運動家になった。ところが今は体制側につくというのだが、昔から左翼運動の中心にいるのは「虐げられている労働者」ではなく、つねに中間層出身の大卒や知識人たちだった。
共産党の歴代委員長は東大卒と決まっている。日本最大のスラムドヤ街に西成釜ケ崎という地区が大阪にあるがここの委員長も歴代、大卒だ。むかしの左翼運動の指導者も歴代、大卒であり中流階層の出。
小林多喜二の小説のなかでは「虐げられた労働者」の姿が描かれているがそれはあくまで虚構、小説であって、その小説を書いた小林多喜二も小作農家出身の大卒。
そしてまた、
昔と同じように今もまた体制側は常に富裕層、資本家、大企業関係者、高級官僚たち。
つまり、富裕・知識層で二分化し、それが貧困・非知識層に影響を与える。宣伝合戦で勝利したほうが時の勢いを得る。
現在はソ連崩壊し、中国が国家資本主義化しているので、左翼の意味も変質しているのだろう。
左翼と右翼については対照的な意味ではなく、
左翼は、労働者と資本家との対立の中で上下に人間を分類した時の、下の側。
右翼は、国内と国外を分断した時の、国内の側ということになるだろう。
国際協調などは全く右翼的ではなく、日本という国の不思議な偉大さを称えるのが右翼ということになるのだろう。日本にあって外国にないものは何でも尊く、右翼は大好き。
最近の資本の動きは、国際資本主義で、多国籍企業が主要な役者である。昔は国際統一労働者戦線とかトロツキーとかあったらしい。いまそれがあったら、多国籍企業と労使交渉をするだろう。
しかし実際は、いまは国を超えた多国籍企業と国家が対立する様相である。TPPなどでそれが見られるが、完全に多国籍企業のほうが頭がいいし、作戦勝ちだと思う。
しかし実際は、いまは国を超えた多国籍企業と国家が対立する様相である。TPPなどでそれが見られるが、完全に多国籍企業のほうが頭がいいし、作戦勝ちだと思う。
国家統制経済に打ち勝ってマーケット資本主義の強さを証明したあと、多国籍企業が国家の主権を超越しようというのだから、歴史は、痛快である。国家の枠を超えた国家連合の先に行ってしまった。
多国籍企業の側が圧倒的に資本側で支配者側で知識層側である。
国家主義者はローカルな存在にすぎないだろう。悪くすると土着風俗をあれこれ論評する社会学者だ。
しかしなんといっても税金は国家が収奪し、福祉は国家が与え、国民は国家政治家に投票する。ユーロはその先を行ったつもりだったが、結果的にはドイツのエゴがドイツ自身を潰しかけている。
税金が国際的に脱税スキームに乗って、国内で支払われることなく、アップルもグーグルも、国家を超えているらしい。
税金も払わず、従って福祉にも関与しない多国籍企業ということになるが、貧乏人から税金をとって、もっと貧乏な人に配るのが国家のお仕事ということになるのだろうか。
グーグルにたいしての投票権が欲しいような気がする。
日本の消費税もアマゾンは払っていないようだ。
もっと言うと、輸出企業は戻し税があって、随分儲かるらしい。
この辺りも、企業は国家を超えている。
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国家を超えた多国籍企業を制御するのは、誰がどうするのか、考えなければなららない時だと思う