手軽なストレス軽減方法 考え方の癖知り対処法探る

(健康のつくりかた)手軽なストレス軽減方法 考え方の癖知り対処法探る
 職場では高いノルマを課す上司、家庭では子どもの教育問題や親の介護……。いつの世もストレスはたまりやすい。とりわけ弱音を吐かない、吐けない中高年男性はストレスのかたまりのようだ。私は酒やミステリー、サスペンス小説や映画、たまにプールに行き、ストレスを解消している。でも、すぐ募るストレスに、自分でできる手軽な解消法はあるのか。
 ●あなたは何型?
 常に100%の力で物事に取り組み、ほどほどが苦手な完璧主義の人は「白黒思考型」。短期的には何とか対応できても、長期的には長続きしない。太田さんは「約1年、100%の力で対応して燃え尽きるのか、7割の力で10年ぐらいはもたせるのか。後者の方が燃え尽きず、本人にも組織にとっても良いのではないか」と話す。
 「べき・ねば思考型」は、語尾がいつも「べき」「ねば」で、手帳が予定で真っ黒の人だ。空白があると片っ端から埋めていき、いつも焦っている。また、「深読み・読心術・心の読み過ぎ型」は、相手の心を読みすぎ、否定的なものにとらわれがちだ。たとえば、上司がそっけない態度を取ったように見えると、「自分は上司に見捨てられたのか」。メールの返信が遅いと、「嫌われているのか」と思ってしまう。
 ●スイッチ替えて
 これら自分の癖をつかんだら、次は対処法を探る。自分に合った考え方や名言、座右の銘を見つけ、折々に思い出す。「べき・ねば思考型」なら、べき・ねばを「○○しよう、○○したい」に置き換える。テレビ漫画「一休さん」の「あわてない、あわてない、一休み、一休み」を思い浮かべるとよいという。
 「深読み・読心術・心の読み過ぎ型」には、「数日は様子を見てみよう」「相手も自分もうれしいことは何か」「男はどんと胸を張れ!」などの言葉を思い浮かべるとよいと助言する。いわば考え方のスイッチを入れ替え、別の考え方を探そうという発想だ。
 その一方で、自分なりの下限(イエローポイント)を見つけ、より悪くならないように注意を払うことも大切だと指摘する。
 たとえば「休日をほとんど寝てすごす」「床についても2時間以上眠れない日が3日以上」「普段は楽しいことが楽しく感じられない」といった自分の下限を設定し、こうした状態になったら「連休を作る」「マッサージへ行く」「運動で血行促進」「カラオケで発散」などの対処法で回復を試みる。こまめに回復することが大事だという。
 「雲のように生きる」。組織などに縛られないように、自分色で生きるという姿勢だ。
 気軽にカウンセリングを受けることも勧める。「心のケアは体のケアと同じ。放っておくと手術が必要になったり、回復に時間がかかったりする。心の『肩こり』ぐらいの段階で早めに来てほしい」と話す。