選挙制度

タイの大規模デモは都会の中間所得層以上の人たちが活動している
幹線道路を物理的に占拠して交通麻痺を引き起こしている
タクシン派は農村に手厚く分配したので
選挙をすれば多数を取れることに変わりはない
だから解散して民意を問うという
そこで都会の中間層以上の人たちは選挙をさせないで政局を握ろうということらしい

でも選挙がやはり基本だろうという意見は強いと思う
もはやそれは民主主義の国際的ルールである
しかし都会の中間層以上の人たちにはその選挙制度に対応して逆転できる方策がないらしい
普通に考えれば、都会の人達が、農村の人たちも納得できる改革案を提案して支持してもらえばよいのだが
そこは政治というもので難しいらしい

アメリカの共和党でも事情はあって
共和党の中でもかなりのインテリ層はもちろん福音派そのままではないしティーパーティそのままではないのだが
彼らのような素朴で頑固な右より保守の数による影響力を配慮しないでは何もできないらしい
ここでも選挙という制度が、よりよい未来の実現の足かせになってしまっている
もちろんこんなふうに言うのはアメリカの一部の立場の人で
多数を占めている福音派とかティーパーティの人たちは自分たちこそがアメリカの真ん中だと信じているし
正しい未来指針だと思っているわけだ

大学の教養時代にドイツ語の時間に、ナチスドイツの台頭の頃の新聞記事を集めた教科書を使って勉強したことがある
彼らは違法なことはしていないし、手続きを守りながら、民衆の熱狂を作り出していった
きちんと選挙を戦って勢力を拡大していった
その時代のドイツの新聞記事である
大事な勉強だったと思うが結局民衆は未来を知らなかったわけで
仕方がなかった面がある
歴史を生きるには、ただ単に普通に賢いだけでは足りないということなのかもしれない
ナチスは貧しい人、疲弊した人、希望を失った人に希望を与えたのだと思う
しかしその先に巨大な絶望があった
どこで変質したのか、最初からそれは希望ではなかったのか
少なくとも最初の頃のナチスの政策公約は希望にあふれていたと思う
だからこそ支持者も増えたし選挙で勝利した
ここでも選挙制度が歴史を作っていった