大草原で、見渡すかぎり視界を遮るものは何もない、そんな写真がある。
それは見られているという不安を掻き立てるものではないだろうか。
どこにも隠れることが出来ない。
そんな中で、どこか隠れる場所があって、他人からの視線を遮断し、自分の存在を一時的にでも消去できるということは
大きな安心感なのではないだろうか。
現代社会で我々が感じる不安性障害の一部はこのような心理につながっているのかもしれない。
ーーー
学説のひとつによれば、ヒトの祖先は樹上生活をしていた。
気候変動があって、サバンナに放り出された。
もう守ってくれる遮蔽物がない。
集団で行動して、肉食獣から自分たちを守る必要が生じた。
樹上生活の安心とサバンナでの不安。