認知症の予防「運動」うつ病発症を予防「運動」

 超高齢社会に突入したわが国において、認知症の予防は重要な課題である。認知症予防に有効だと考えられている1つの方法に「運動」がある。Bowen氏は運動を行うことで認知症リスクに影響を与えるか否かを検証し、Am J Health Promot誌2012年7月号で報告した。
 本研究は、HRSの身体活動に関するデータとADAMSの認知アウトカムデータを使用したプロスペクティブ研究(HRS:Health and Retirement Study、ADAMS:Aging, Demographics, and Memory Study)。対象は、3~7年間の身体活動に関する情報を有する認知症を発症していない71歳以上の高齢者808名である。身体活動はエアロビクス、スポーツ、サイクリング、重労働の家事などの活発な身体活動を週3回以上実施しているかどうかで評価した。認知症の診断は、専門医(神経心理学者、神経科医、老年科医、老年精神医学科医など)による神経心理学的テストにより評価した。分析には、人口統計学的特性などの因子を調整するためロジスティック回帰分析モデルを用いた。
主な結果は以下のとおり。
・認知症リスクと活発な身体活動には顕著な関係が認められた。
・最終的には、活発な身体活動を行っていた高齢者では認知症と診断されるリスクが21%低くなると考えられる(p≦0.05)。
・活発な身体活動は、認知症リスク低下の独立した危険因子の可能性がある。
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うつ病は有病率が高くQOLに影響を与えることから、うつ病の予防因子を特定するため多くの研究が求められている。カナダ・トロント大学のGeorge Mammen氏らは、運動がうつ病の発症を予防するかを前向き研究のメタアナリシスにより検討した。American journal of preventive medicine誌2013年11月号の報告。
 身体活動とうつ病との関係を検討した縦断的研究を2012年12月までに各データベース(MEDLINE、Embase、PubMed、PsycINFO、SPORTDiscus,、Cochrane Database of Systematic Reviews)より検索を行った。抽出されたデータは、2012年7月から2013年2月の期間で分析された。研究の質は2名の独立したレビュアーが評価した。
主な結果は以下のとおり。
・検索結果より得られた6,363件のうち30件の研究が分析対象となった。
・このうち25件の研究で、ベースラインの身体活動とその後のうつ病リスクとの間に負の相関があることが示されていた。
・大半の研究は方法論的な質が高く、身体活動が将来のうつ病発症を予防することを示す結果であった。
・身体活動はどのようなレベルであれ(たとえ1週間当たり150分未満のウォーキングなど低いレベルであっても)、うつ病の予防に有効であると考えられる。

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認知症の予防「運動」うつ病発症を予防「運動」というあたりまえな結果でインパクトはゼロなんだけど
特に用もないのに運動ができるということ自体、生活のある種の余裕を意味しているだろうし、精神的にも余裕が有るのだろうと推定できる。
予防できるのか、予防できているから運動できているのか。