自己愛性パーソナリティ障害と遷延性PTSD、そして遷延性うつの病像
欠損モデルと葛藤モデル
欠損ならば支えつつ育てる
葛藤ならば支えつつ現実に直面させる
理想の自分と現実の自分の落差に耐える
現役時代の華々しい自分と引退してからの惨めな自分の落差に耐える
重要な他者からの自己愛の備給があれば安定
しばしば母親、または賛美者
それがなくなると急激に機能低下し自我機能は精神病レベルになる
周囲には理解できない突然の怒りなどが観察される
55歳なのに5歳児のような退行。
自己愛性パーソナリティ障害と
境界性パーソナリティ障害、さらには
反社会性パーソナリティ障害は類似している
この順に人格水準は低下する
持続する抑うつと、突発する怒り、どちらも共感を得られない
病的な退行
子どもは非現実的なパワーの幻想に包まれ、それが壊れそうな時には被害妄想を抱きやすい
さらには現実把握が悪くなり、そのことでなおさら他人に理解されなくなり孤立する
またときにはスプリッティング
他者に対する批判や怒りを表現してみるが賛同は得られずますます無能感と孤立感を深める
根本には共感性の欠如、基本的信頼の欠如、人間の愛情に対する信頼の欠如、それらの結果としての自己中心性がある
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DSMから
誇大性(空想または行動における)、賞賛されたいという欲求、共感の欠如の広範な様式で、成人期早期に始まり、種々の状況で明らかになる。以下のうち5つ(またはそれ以上)当てはまれば自己愛性パーソナリティ障害だと診断される。
自己の重要性に関する誇大な感覚。自分の業績や才能を誇張する。
限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとらわれている。
自分が特別であり、独特であり、他の特別なまたは地位の高い人や施設にしか理解されない、または関係があるべきだと信じている。
過剰な賞賛を求める。
特権意識、つまり特別有利な取り計らい、または自分の期待に自動的に従うことを理由なく期待する。
対人関係で相手を不当に利用する、つまり自分自身の目的を達成するために他人を利用する。
共感性の欠如。他人の気持ちや欲求を認識しようとしない、またはそれに気づこうとしない。
しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思い込む。
尊大で傲慢な行動、態度。
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一方でPTSD的な傷つきの側面がある
無力な自分が巨大なものに傷つけられる。その反動として本来自分を保護してくれるものに対して反抗し、それを傷つける。
傷つけられた保護的存在は患者を保護しきれなくなり、見捨てる。見捨てられる不安がかきたてられ、怒りや抑うつで保護的存在に抵抗する。
たいていは家族関係の中に遷延因子がある。
たいていは家族は燃え尽きる。
長期間に渡るのでたとえば子供は生育の過程で大きな影響を受ける。
複雑に因果関係が生じる。
本人に責任能力の欠損がある場合、社会的には保護者(保護義務者)が責任を負わなければならないことがある。
家族は自分の人生を生きる必要がある。
そのために社会的資源(つまり各種の支援や援助)を活用する必要がある。
キーパーソンが決意しないと状況は変化しない。
病気に負けない家族になる。
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大切な人には感情を出せない。もっと傷付けられるのが怖いから。
感情を出しても離れて行かない人にだけ感情を出す。たいていは怒りなどマイナスの感情。
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嗜癖、食欲異常、性欲異常なども見られる。
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それでも生きている。