匿名性社会の弊害は色々とある
介護職に人気がないのは
たとえば石原何とかという高齢者に対して猪瀬何とかという孫世代が
介護ケアに当たるとして
お互い面識もないし家族の面識もないし家の歴史も知らないし
という状況では限りなく透明な高齢者という生き物でしかないのだ
それがたとえば
古くからある社会の中で
石原の家のおじいちゃんを、その10軒くらい離れた猪瀬の家の孫がお世話するとなれば
歴史もありお世話になったこともあるおじいちゃんであり
赤ん坊の頃から知っている孫世代なのであるから
少しは愛着もわき人格としてはっきりと判別できる人間になるだろう
もちろんそれには裏面もあって
果てしのないいじめとか差別とか悪いうわさとか怨念とか
いろいろとついて回るのでうっとおしい面もある
村八分などは多分怖い
怖いから抑止力になるのであるが
都会の匿名社会の気軽さは若者にとっては居心地がいい
都会で匿名性がないのは
テレビとかマスコミで顔が売れている種族で
芸能人とか政治家とかであるが
この人達はまた行動の規範がかなり偏ったものなので
顔が知られていようとお構いなしのところもある
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どこの誰だか知られていないからハレンチなことができるという面はあるだろう
都会の匿名性の社会では法律で禁止されていないから自由だという人さえいるだろう
たとえば食材偽称の話にしても
匿名性があるからできることであって
そうでなければ末代まで語り継がれる話になるだろう
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匿名性社会では他人のために親身になったとして
それが食い逃げされて無力感になり
結局お金を払ってくださいという社会になる
人情家はハゲタカに食いつぶされるのだ
田舎から都会まで
一応の法律は同じだけれども
実際の作法はずいぶん違う
その中で自分にあった場所を見つけていけばよいのだが
実際にはなかなか難しい