22日、国連人権理事会のフランク・ラ・ルー特別報告者(グアテマラ、
表現の自由担当)が、日本の特定秘密保護法案について
「内部告発者やジャーナリストを脅かすもの」
との懸念を表明し日本政府に透明性の確保を要請したそうです。
国連人権高等弁務官事務所(本部スイス・ジュネーブ)が報道声明で
発表しています。
http://www.lifeshot.jp/files/photos/1306059992/1385277823_o.jpg
http://mainichi.jp/select/news/20131123k0000m030094000c.html
ここでラ・ルー特別報告者は
「内部告発者や、秘密を報じるジャーナリストを脅かす内容を含んでいる」
と法案を批判しているんですね。
主張は、
「秘密漏えいによる損害が国民の「知る権利」という公益よりも大きな場合
に限って秘密保持が認められるが、その場合でも、独立機関による点検が
不可欠だ」
というものです。
続いて、
「違法行為や当局の不正に関する機密情報を『良かれ』と思って公にした
公務員は法的制裁から守られなければならない」
と指摘しています。
実に的を射た指摘ですが、これを国連が表明したということに重大な意味
があります。
推進論者はスパイ防止法は世界各国でやっていることだし必要だと主張
しています。
しかし諸外国がやっているのと違い、日本がやろうとしていることは恣意的
使用が可能な余地を残しており、その意味で欧米では普通にある法律では
ないのです。
独立機関もない、罰則の規定も曖昧、対象の規定も曖昧なゆえ、国の情報
統制、言論統制が起こりうる危険性は十分あるのです。
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また、この国連が懸念を表明した同じ22日、児童書専門の出版社からも
反対の声が上がっています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131122/t10013250901000.html
子ども向けの絵本のロングセラーで知られる出版社なので、外交や防衛
など安全保障に関わる分野の情報を直接扱うことはありませんが、
「情報が制限される社会は子どもたちから成長の機会を奪ってしまう」
と社長の岩崎さんは考えているようです。
「子どもたちは自由に流通する情報を、みずから選び取る経験を通して
成長していく。
今回の法案は、国が見せてよい情報と見せてはいけない情報を選別する、
息苦しい社会への第一歩になってしまうのではないか」
とも話しています。
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特定秘密保護法案の内容や政治動向については以下を参照
http://www.news-pj.net/siryou/himitsuhozenhou/