3年ぶり「職員fluワクチン無効」 医療従事者へのインフル

科学的な根拠は不足しているという見方が強い。最新の2013年のコクランデータベースでは、高齢者施設で勤務する医療従事者へのインフルエンザワクチンの効果を検証し、再度、効果は確認できないと結論付けた(Cochrane Database Syst Rev. 2013 Jul 22;7:CD005187.)。ほかにもカナダからの報告でも、医療従事者へのインフルエンザワクチンは効果が確認できないと結論付けている(Vaccine. 2010 Dec 16;29(2):344-56. )。

 これらのデータは、医療従事者のインフルエンザワクチン接種の低迷につながっている可能性はあるだろう。日本でも、医療従事者のインフルエンザワクチンの接種率は低いという報告がある(Journal of Healthcare-associated Infection 2010;2:45-47.)。非接種の理由は複数あり、中には不要と考えるという回答も出ている。状況は海外でも同様だ。接種率の低迷が報告されている(Occup Environ Med. 2012;69:230-5.)。いかにして接種率を上げるかが公衆衛生機関の懸案事項として最近でも上がっている(Am J Infect Control. 2013;41:697-701.)。

 科学的根拠が乏しい限り、難問として議論は続くだろう。