治療法の選択については患者自身の自己決定が尊重される
だからこそ、書店に行けば、何病の場合にはどうしなさいというような本が並んでいる。
がんは治療しないで放置しておけとかというものが代表的である。
またたとえば、お金はかかるけれどインプラントにしますか、というような判断である。
これらの場合には、治療に関する自己決定の意思機能が正しく働いていて、
自分の意思決定の責任は自分がとることになっている
しかし病気の中には「自己の意思決定機能の障害」という側面を持つ病気もいくつかあるので
その場合に、どのようにすればいいのか、難しい面がある
いくつかの精神病もそうであるし、これから爆発的に増え続ける認知症もそうだろう。
法律的には意思決定能力に欠損がある場合の手続きも定められているのだが
どうしても後手に回りがちである
患者さんが社長とか会長とか、偉い人の場合になかなか難しいことになる
気まずいことは避けて通りたいので
とりあえずしばらく時間を待とうということにならざるを得ない
そのうちに会社が傾いたり、人が離れていったり、いろいろなことが起こってしまう
たとえば財産を持っている高齢者が若い人と再婚すると言い出した場合、
周囲は困るのだが、なんとも止めようもない