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■自称研究家(自称専門家)
世の中には、これほど迷惑で、かつ社会に害のある人たちはいません。
歴史学、民俗学、社会学、心理学、経済学、地震学、環境学、生物学、等々。幅広い分野に存在します。さすがに自称数学研究家や物理学研究家は聞きませんけど……。
こういう自称研究家がネットに大量にページを作ってくれるおかげで、ネット上での資料探しに苦労させられることが多々あります(ええっ、この項目は、その恨み節ですよ:自嘲)。逆にこれだけネット上に自称研究家が多いと、自分の理論に都合の良い理論、ないし同じ結論の研究も見付かります。それらが相互リンクし合って、自分たちの理論を証明しないまま思い込みだけを強化する例も見受けられます。
とはいえ、自称でも研究家を名乗るだけに、驚くほど深く資料を集めてる人もいます。海外の資料にも当たり、精力的に翻訳までしてる人もいます。こういう玄人はだしの人たちの知識は侮れません。こういう人から貴重な資料が出てくるからこそ、ネット上で資料探しもバカにできません。
それでも内容を理解しながら読み進めていくと、どこかで論理が怪しくなる人がいます。まるで最初に決めた結論へ導くように、論理展開に都合の良いように解釈や計算をいじる人です。ちょっとでも科学を勉強した人なら有り得ないと思うような計算式が出てきたり、持論に都合の良い仮説や効果を持ち出して、それを証明済みのこととして展開する人がいます。もちろん、仮説はあくまで仮説であり、効果は証明されたものではなく、ただ現象を示しただけのものです。
そこで他人からその間違いを指摘された場合、自称研究家の人はどんな反応をするでしょう。不思議と指摘をはぐらかしたり、見当違いな回答を始めたり、相手の質問を無知の世迷い言として無視したり、だいたい共通の反応を起こします。結果として他人から間違いを指摘されても間違いを認めない行動ですね。傍観してる私自身が門外漢の知識不足のために間違いに気付いてなくても、そういう部分から自称研究家の主張がおかしいと気付かされることもあります。
本当の研究家であれば、指摘された間違いを正して、ないし本当に間違ってるのかを調べて、どんどん研究の質を高めていくと思うのですが……。
ところが面白いことに自称研究家の人たちは表向きの口調や文体が紳士的な人が多いので、逆に間違いを指摘してる人の方が無知に思えることがあります。流すように議論などを読み進めてると……。
自分が研究家であるという自負と、それを裏付けるたくさんの知識が、自称研究家の人を「金持ちケンカせず」の心境に至らせ、その余裕から紳士的な振る舞いをさせるのでしょうか。面白いというか、意外というか……。
ただ自分の論理がおかしくなっていることに気付かないのは、自分の頭で考えてないから……でしょうかねぇ。研究の目的が、知識欲よりもタダの受け売りの延長であるような……。
それと自称歴史研究家のように、持論に都合の良いように歴史を捏造してしまう論外な人もいますねぇ。(嘆息)
追記
自称研究家の中には、教科書の記述を鵜呑みにする人がいます。
でも、教科書の記述が正しいという保証はありません。ウソだらけとは言いませんが、教科書が国家や学派のプロパガンダとして使われていることは良く知られていると思います。
大学の教科書でも例外ではありません。というか、最新の学説ほど学閥の差が大きいものです。
ですが、自称研究家の中には「アメリカの△△大で使われている教科書に載っている」という論理で自己正当化する人が目立つよう感じるので、ここに追記しておきます。
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自称××のはなし