究極の理性があるとして
手順はおよそわかっていて、あとはただ手を動かせばいいだけの問題について
時間を割こうと思うだろうか
多分、思わないだろう
誰かがいつか思いつくだろうようなことを考えていても面白く無い
たとえば遺伝子の仕組みを解明して、どのようなメカニズムがあるのか、
具体的にどの部分は発生の過程でどのように働くのかを研究したとして、
それはいつか誰かがきちんとやってくれる仕事だろうと思う
普通程度の知性があればいいだけのことだ
あるいはまだ知られていない神経伝達の仕組みについて誰かが何かを解明したとして
それはすでにあることに人間が気がついていないだけであるから
そして多くはその観測装置が洗練されることが問題なのだろうから
そんなにわくわくするような問題ではない
ある人は肝臓の酵素について分離精製して分子構造を確定したのだが
そしてそれは私などにはできないことだが
何が面白いのかも全くわからない
たとえば地図がまだ正確ではないので充分に正確な地図を手に入れることもいいだろう
しかしそんなものは実用的に充分であればいいのであって
ただ手を動かせばいいことをことさらに知的な営みと言うことも正しくないだろう