“日本人はとても人目を気にする。
しかし、そんな必要は全くないのだ。
なぜなら、誰もあなたのことなど気にしていないからだ。
かなり昔の竹村健一さんの本に、「あなたがチンドン屋みたいな格好してたって、他人は大して気にしないものだ」と書かれていたが、現在では、さらにそうなのである。
ところが、おかしなことに、人目を気にすることに関しては、昔よりずっと強くなっているのである。
つまり、誰も気にしていないに関わらず、人々は他人の目にひどく敏感なわけである。
滑稽な話である。
これはどういう訳かというと、人々が自分にしか関心を持たなくなっているのである。
自分への関心が強いのは幼稚な人間だ。つまり、我々は、ますます幼児化しているのである。
愚かにも、自分のことが頭から離れないのだ。
自分の見栄え、持ち物、評価・・・・そんなことが気になって仕方がない。
だが、あなたが世界一の愚か者だと思われていようと、そんなこと、誰も知ったことではないのである。
だが、自分は関心を持たれていると感じられることもあるかもしれない。
それは、誰かが、あなたに対し、自分に関心を持ってくれる人間として関心を持っているというだけのことだ。それは、確かに物凄く強いものだ。
しかし、あなた自体に関心がある訳ではないのだ。”