(CNN) ドイツで建造されていた世界最大級のスーパーヨット「アッザム」がこのほど披露された。米海軍駆逐艦を上回る大きさで、速度も世界一という。しかし持ち主や内装は謎に包まれている。
アッザムは全長約180メートル、幅約20メートル。3年がかりで建造され、ドイツ・ブレーメンの造船所から先月初めて姿を現した。
これまではロシアの富豪ロマン・アブラモビッチ氏が所有する「エクリプス」が世界最大級のスーパーヨットだった。
しかしアッザムの全長はエクリプスを17メートル上回り、米海軍のアーレイ・バーク級駆逐艦よりも大きい。最高速度も30ノット(時速約56キロ)と、スーパーヨットの中で最速とされる。
建造費は6億500万ドル(約600億円)、加えて年間で推定6000万ドル(約60億円)の維持費がかかる。持ち主の名は明かされていないが、強い影響力をもつ中東の富豪とうわさされている。
建造はドイツの造船会社ルーセンが手がけ、外装や内装にも有名デザイナーが起用された。
ただし内装や設備についてはほとんど情報が公開されておらず、ルーセンの広報によれば、「まだ建造中であり、完成後も撮影の許可が下りるかどうかは分からない」という。
エクリプスの場合、ヘリコプター発着場2カ所と2つのプール、映画館、ディスコ、小型潜水艇、さらにはミサイル防衛装置まで装備する。アッザムの設備はこれをさらに上回る可能性もある。