うつ病に対して認知行動療法を行うということの意味を考える
もともとうつ病という呼び名は
その病気が根本的に感情の躁鬱の揺れが「原因」であると
想定したから、そのように呼んでいるのである
うつ病の感情障害の根本にあるものが
認知にあるのならば、認知病と呼ぶものであって、認知を治療すれば良いことになり、そうなれば整合的である
うつ病の時には思考が悲観的になる、それは感情が原因で認知が結果である
そのときに、結果を治療して、どうなるというのだろうか
うつ病の時には億劫になり、行動が少なくなる。それに対して行動活性化を試みて、気分も良くなるのではないかと対処してみる。しかしここでも、感情が原因で行動が結果なのであって、結果に対して対処してみても、原因に届くものだろうか?
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伝統的な精神病性うつ病の場合には、三大妄想というものがあって、心気妄想、貧困妄想、罪業妄想である。そのような妄想があれば確かにうつ気分にもなるだろうが、この場合にも、私の考えでは、妄想が原因で気分が結果ではない。それならば妄想病と呼ぶべきであって、妄想を治療する薬剤を使うべきである。
あくまでも、原因が感情で、その結果として、三大妄想も生じている場合のことをうつ病と呼ぶのである。
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つまり、私がうつ病と呼ぶべきだと思うのは、原因が感情で、結果が、認知、行動、対人関係である、そのようなものである。
そして治療としては、まず感情系に作用する薬剤が知られているので、それも使用してよい。
そして、認知行動療法と対人関係療法である。
この二者は歴史的な都合で二つの呼び名が付いているが、原理は同じである。従って、個人的には、認知行動対人関係療法と呼んでよいものだと考えている。
仔細に見ると、原因である感情と、結果である認知行動対人関係は、ループを形成している。時に悪循環にもなり、時に好循環にもなる。
だから、認知行動対人関係に働きかけることによって、間接的に感情に働きかけることができるのである。
このような循環関係は、摂食行動と対人関係にも見られ、摂食行動と対人関係はループを形成しているので、対人関係を治療することから始めて、摂食障害の治療につなげることができるのである。
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悲しいから泣く
泣くから悲しい
悲しいから泣く
泣くから悲しい