"今の批評ははっきり言って【免罪符商法】化しています。性愛的に、あるいは社会地位的にルサンチマン(私怨)を溜め込んだ人たちに、逆差別的ナルシシズムを与えるような内容ばかりになってきています。“あなたの人生がうまくいかないのは~のせいです、だからあなたは悪くない”と言ってあげる評論ばかりなんですね。~の部分に【戦後民主主義】を入れると【新しい歴史教科書をつくる会】になって、【新自由主義】を入れると【ロスジェネ論壇】になり、そして【恋愛至上主義】を入れると【非モテ論壇】になる。もちろん、彼らの問題意識が100%間違いかというとそうじゃない。戦争冤罪も格差社会も恋愛至上主義の弊害も現実に存在するわけです。でも、明らかにこれらの言説は消費者の不全感の原因を過剰に批判対象に押し付けてしまっている。彼らの口が臭くて娘に口を利いてもらえないのも、会社やクラスで浮いているのも、やつあたり的に全部その「敵」のせいになってしまう"