"ここハイデルベルクで暮らしていると、家族での生活が生活の中心になる。東京のように、映画を観に行ったり、ショッピングをしたり、レストランで食事を楽しんだりということは生活の中心にはなっていない。そもそも娯楽はあまりない。日本は少子化が問題になっている。子育ての環境が整っていないことはもちろんで、それも今回のハイデルベルク滞在で痛感したことだが、子供をもつよりもDINKS(Double Income No Kids)の方が東京の生活を謳歌できるようになっていることが少子化の要因なのではないかと思えてしまう。ここハイデルベルクではDINKSではたぶん、つまらない生活になるだろう。週末はホームパーティを開いて、夏は庭で子供を遊ばせながら、大人たちはテラスでビールを飲むというような生活が生活の中心になるからだ。私たちも娘がいることで家族ぐるみの付き合いが広がっていったし、そもそも独身者は警戒される。もっともドイツはヨーロッパのなかでは出生率は低く、問題になっているが、それでも日本よりは高く、おそらくここハイデルベルクでは出生率は悪くないはずである。"