“どんなプロの人間でもいつも時間がないこととお金がないこととの中で仕事をしています。6割、7割の満足度で仕事を終えています。悔いが残ることの連続です。プロの仕事というのは実は悔いの残る、不十分な仕事の連続なのです。
一見、すばらしい仕事に見える。お金もふんだんに使える、時間もたっぷりかけている、スタッフも充分だ、と外部から見えているにしても、プロの仕事には、それでいいということはありません。不満だらけで(穴があったら入りたいくらいの気持ちで)仕事を“終えている”。しかし外部評価は及第点を取れている。それがプロの実際の仕事のあり方です。
それは、どういうことでしょうか。 結局、6割、7割でも外部に通用するようなパワー(強力なパワー)を有しているというのが、仕事をするということの実際だということです。
皆さんが尊敬するプロの仕事は、その仕事をするための充分な時間(とお金)が与えられてできあがっている、と思ったら大間違いだということ。
「時間とお金があれば、もっといい仕事ができるんだけどな」というのは、だから“イノセント”だということです。そんな純粋な時間もお金も実務の現場には存在しません。時間もお金も実際は“泥だらけ”なのです。”