ものみな値上げの2013-7-1。電気、ガス、小麦粉、パン、植物油。大企業の業績は改善し、中小企業は改善していない。株持ちの声には、一ヶ月で年収分稼いだ、というものもある。それ以外の人たちは、収入は何も変わらないのに、物価だけ上がると嘆く。
金融緩和の結果と言うよりも、円安の効果で物価が上がったというだけのようだ。同時に大企業が得をした。庶民から大企業への富の転移が成立している。
一時的なものです。タイムラグがあります、と説明されるのだが、いつまでなのか、不明なままである。
金融緩和しても、誰もお金を借りてくれないのではないかという話に対しては、東北の復興という一大事業があり、そこでならばどんなにお金を使ってもいいのだから、願ったりかなったりではないかと思うのだが、そうでもないらしい。
増税もしたし、国債も発行したし、あとはそのお金で復興事業を素早くこなせば、世界から喝采を浴びるだろう。結果として市中のお金は増えて物価は上がり、インフレは達成され、国家の赤字と、年金の大問題は解決されてしまう。
しかし諸事情により、予算執行は計画通りには進んでいない。当然復興事業も停滞している。
復興事業は進んでいないのである。そして、その他の事業に金は流用されて、復興とは何も関係のない所で浪費されているのである。それはそれで金をばらまくという観点からはいいことなのかもしれないが、やはりどうしても、素人には、金をばらまくことが、正しい政策とは思えないのだ。
普通、日本の国力を回復するというのなら、日本人の全体が、働くことだろうと思う。もちろん、中には、国民の資産を運用することで国家の利益に寄与する人間がいてもいいいと思うが、それは傍流の話だ。中にはそのような商売も成立してもいい。そうではなくて、必死にまじめに働いて、国に富を貯めこみ、そのお金でインフラを更新し、次の100年も大丈夫という状態にしたい。そのために働きたいのだ。それなのに、何をして働けばいいのか、よく分からないままなのである。ITなのか、介護なのか、金融工学なのか。具体的に言われているのは、iPS細胞関係のことだけで、それも具体的な話は数年前から出ているものを、今やっと認可したに過ぎない。
学校を卒業した若者に職場がないのに、ママさんに職場を与え、管理職に登用するそうだ。
民間活力活用によって日本人はモリモリ働くそうだ。労働契約の仕方も変えて働かせるそうだ。
規制改革といえば、農業の株式会社化、医療の混合診療解禁、などが言われるのだけれど、ろくでもない食料を食わされて、医者に行けば、お金次第ですねといわれる社会が望みなのか。
診療報酬請求書は宝の山だと口を滑らせた総理大臣だから何もわかっていないのだろう。