“現行の就活は、「優秀な人材の登用」よりもむしろ、日本の若者たちを「組織的に不安にさせること」を結果として生み出していることを、企業の人事担当者はもう少し自覚して欲しいと思う。
たしかに、「査定され、排除されることの不安」につねに苛まれている状態に若者たちを置けば、彼らがいずれ「使いやすい」人材になることは間違いない。
「文句があるなら、いつでも辞めろ。おまえの代えなんか、いくらでもいるんだ」という恫喝ほど若者たちを凍りつかせるものはない。
自分の社会的能力について不安を抱く若者たちは、たしかに上司からすれば使いやすい部下であるかも知れない。経営者からすればいくらでも労働条件を切り下げられる「安い労働力」であるかも知れない。
けれども、そうやって一国の若者たちを「査定される不安」のうちに置き続けてきたことで、国の「勢い」そのものが枯死しつつあるという事実に、エスタブリッシュメントの方々はもうすこし自覚的になってもよいのではないか。”