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「自分ひとりで考えること」や「そのための時間」というのは、何かを作る人にとってものすごく必要なものだと思います。でも今は会社に行ってもすぐネットにつないで、Facebook、Twitter…という世の中になっている。本当の意味で孤独の中に身を置く機会が極端に減って、逆に自分の承認欲求が満たされる機会はものすごく増えています。
乱暴に言えば、特に何かを達成したわけでもなしに、誰もが承認されてしまうインターネットになっているという側面がありますね。SNSに何かを書けば「いいね」と言われ、Twitterで自説を述べればある程度は何かしらの反応がすぐに返ってくる。もちろんそれで満たされることで今までに感じ得なかった幸せを感じるということもあるでしょう。ただ、何だって毒はあるものです。自分の満たされない気持ち、どうにかして世の中に訴えたいものがあるけど届かない悔しさ、そういうのをバネにものをつくったり、表現したりということが結果として作品が出ることにつながる。SNSで反応が返って、自分のちょっとした承認欲求が満たされている時、一方で、そういう大きな機会を奪われているかもしれない、そういう毒には、自覚的になったほうがいい。
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