” Q. 「講義に出てこなくてもいい」とはどういうことですか? A. 大学の講義で教える内容は、高校よりもずっと高度ですので、高校までと全く同じやり方で勉強しても身に付きません。特に、物理や数学のよう に論 理を積み重ねてゆく学問では、わからないのに先に進まれると非常に困るでしょうし、反対に、わかったのにまだ説明が続くのもイライラします。そして、どの 辺りで時間がかかるかは、一人一人異なります。ですので、一人一人が自分のペースで 教科書を読んで身につけるのが一番良いのです。特に私が書いた教科書は、それがで

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Q. 「講義に出てこなくてもいい」とはどういうことですか?
A. 大学の講義で教える内容は、高校よりもずっと高度ですので、高校までと全く同じやり方で勉強しても身に付きません。特に、物理や数学のよう に論 理を積み重ねてゆく学問では、わからないのに先に進まれると非常に困るでしょうし、反対に、わかったのにまだ説明が続くのもイライラします。そして、どの 辺りで時間がかかるかは、一人一人異なります。ですので、一人一人が自分のペースで 教科書を読んで身につけるのが一番良いのです。特に私が書いた教科書は、それができるように丁寧に書いてあります。
Q. それでは、講義はなんのためにあるのですか?
A. まず、一番大きいのは、質問できることです。特に、熱力学や統計力学や量子論のように 高度な論理構造を持っている学問を学ぶときには、様々な人が抱きそうな疑問点を全て教科書にくわけにはいかない(そんなことをしたら百科事典よりもはるか に厚くなってしまう!)ので、どんな教科書で勉強しても、どうしても疑問点が出てきます。そのときに、信頼できるプロに自由に質問できるというのは、実 は、大変に有り難いことなのです。しっかり考えながら教科書を読む人ほど、そのことがわかってくるでしょう。(最近、ネット上で質問すると誰かがそれに答 える、というサイトが増えてきているようですが、その答えを覗いてみたら、そのはちゃめちゃぶりに驚かされました。皆さんは、大学でちゃんとした人に質問 しましょう!)
だから、疑問がわいたときだけ講義に出てきて質問すればよいのです。そうすれば、講義のペースに煩わされることなく、自分のペースで勉強ができます。(質問は、講義よりも前の部分でも後ろの部分でも構いません。)
もちろん、もっと積極的に講義を活用することもできます。例えば、教科書を予習して きて、講義を総まとめとして聴く。あるいは、予習をしないで講義を受 けて、講義は概略を聴く場にする(家に帰ってから、講義で進んだところまで、本格的に教科書を読む)、などです。
どのやり方が自分に合っているかは一人一人異なりますから、自分に合った方法を選んでください。
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