私に付けられたたくさんの病名、どれが正しいのか
と疑問に思う人もいる
私の身長は何センチですかというなら
どこで測定しても同じだろう
しかし精神科の病名の中にはそのような客観性に
なじまない性質のものもある
たとえば、ある人は、母親に対してと、父親に対してと、
学校の教師に対してと、病院の医者に対してと、それぞれに違った面を見せるかもしれない
そのそれぞれで対人関係の特質が表現される
本来ならばその全体を総合して診断や表現がされるべきなのであるが
それは原理的に難しい面がある
それよりも、診察室ではどのようであったかを正確に記述するほうが
控えめで正しいという議論もある
だから、うつ病、うつ状態、大うつ病、単極性うつ病、双極性うつ病、気分障害、自律神経失調症、
不安性障害、軽度発達障害、自己愛性人格障害、境界性人格障害、身体表現性障害、急性ストレス反応、
このくらいは成立すると思う
病態も時間とともに変遷するという事情もある
その点でも、変化するものだ