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TPPの日米事前協議
TPPの日米事前協議
具体的に重要な事項だけを取り出すと次の三つになる。
1.日本政府はアメリカとの協議において、日本車の輸入関税はTPP交渉の他のいかなる製品に猶予された最長期間よりもさらに遅い時期において段階的に廃止されることに合意した。
2.日本政府は、簡易許可手続き(PHP)すなわち日本に輸出される米国車に対してより簡単で時間のかからない認証方法での輸入台数を二倍以上にすることを一方的に決定して通告した。
3.日本政府は、日本郵政の保険に関して、民間の保険会社に日本郵政と平等な競争条件が確保され、また日本郵政の保険が適切なビジネス経営(非公営)の下で運営されていると日本政府が決定するまでは、いかなる新規のあるいは修正されたがん保険及び単独の医療保険を許可しない、ということを一方的に通告した。
上記の一番目の事項は、自動車関税の引き下げを、
「他のいかなる製品に猶予された最長期間よりもさらに遅い時期において段階的に廃止される」
ことを決めたものであって、関税引き下げ措置について、米国の輸入自動車が、すべての品目のなかで最大に優遇される(関税引き下げを先送りする)ことを決めたものなのである。
これに対して、日本が「聖域化」を求めている
米、麦、牛肉、乳製品、砂糖
については、何ひとつ具体的な取り決めが行われなかった。
上記三項目のうちの第二と第三は、米国の内政干渉要求を、何の抵抗もせず、しかも、「日本政府が一方的に決定して通告した」とまで表現されて、提示したものである。
これを国辱外交と言わずして何と言えるのか。
カツアゲした悪ガキがいて、説明を求めたら、この悪ガキが、
「こいつが、一方的にカネを差し出すことを決定して、カネを差し出してきた」
と説明しているようなものだ。
しかも、カツアゲされた少年に話を聞くと、この少年も、
「自分の方で一方的にカネを差し出すことを決定して、カネを差し出したもの」
と説明しているのと変わらない。
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