イノベーションが起これば大量の新規労働力需要が生まれると考えるのは
現代では間違いではないか
ロボットやコンピュータがいろいろなことをやってしまう
正確に疲れを知らず片付けるので
当然生産性は向上する
たとえば給与計算などはPCにまかせてしまうことができる
銀行の窓口業務もATMで済むことが多くなった
しかし一方で仕事のない人は増える
中間管理職は要らないとかの議論もある
能力の高い1%の人が仕事をすれば
社会は回る
あとの99%は消費者としての役割があるだけだ
ところがその人達には収入源がない
一つの回答は
1%の人が儲けたお金を
99%の仕事もない人に何かの名目で与えることであるが
そこが難しい
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昔は単純肉体労働だった
今は単純頭脳労働になった
単純頭脳労働に適応できない人が随分たくさんいる
本当は学校教育の間に単純頭脳労働に習熟させておかないと社会的損失が大きいのだけれど
それを怠っているので
今会社の人事が困っている
採用の仕方がわからないという
また、単純頭脳労働にともなう職場内でのコミュニケーションの問題とか
あるいはクライアントとのコミュニケーションの問題が
結局ボトルネックになってしまう場合が多い
この部分は実際は解決不可能なまま
取り残されていると思う
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イノベーションが起これば大量の新規労働力需要が生まれると言われることがあるのだが
イノベーションが単純肉体作業にかかわる新規労働力需要を生み出すというのなら
実に明るい未来なのだけれど
ますます複雑で知能を要求し注意力を要求し創造力を要求するのであるならば
適応障害が増えるだけだろうと思う
1%の人だけがもっと儲かる、そんなイノベーションが起こるのだろうと思う
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よく言われる介護職の問題
就職先がないのではない
介護の現場では人を必要としている
しかし他に働き口がないのに介護職にはつかないのである
それぞれの人で希望も夢もあるだろうが
夢がかなうまで
親の資産と年金をあてにして暮らすというのだと
どんどん生活力や労働能力が低下してしまう
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たとえば自動機織り機が普及すれば
機織り職人は職を失う
しかしその時代では別の仕事があった
労働力は移動可能であった
しかし現代ではどうだろうか
労働力は移動可能であるか
極端な話、大学卒の人材が、高卒の人のための仕事を高卒の給与で引き受ければ、
その大卒の人はなんとかなる
しかしそれでは高卒の人が職に困ることになる
またもうひとつ、上記のように、現代の人は、自己イメージを満足させるような仕事でなければ敬遠して
むしろ無職あるいはパートでも仕方ないと思う
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機械による自動化や24時間稼働などを考えた場合
作りやすい機械は単純労働機械である
次に作りやすいのは中間的な複雑労働機械である
だとすれば、最初に労働を奪われるのは単純労働者である
次が中間的な複雑労働者である
人間には難しくないが機械にはある程度複雑なので
機械よりは人間のほうが安く済むというものもあるだろう
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イノベーションが起こって
CD屋さんが消えた