“ たとえば、
「立ちくらみなどを起こして、人が地面に倒れるとき、その人にとって、世界はどのように見えているか」
という文章がある。
「このとき、ぐらりと世界が動く。地面が突然、自分に近づいてくる。
本人には、自分の方が倒れていることに気づかないものなのだ。だから、いきなり地面の方がこちらに近づいてきたように見える。
当人の感覚としては、これが正しい。
(それと同じように) 時代が流れてゆくとき、その現場に立っている自分たちの状況を客観的に説明できる人はまずいない。人間は、そういうことができないのだ」”