“羽生さんは今、チェスに夢中だとか。
「将棋世界」の6、7月号の「盤上のトリビア」というコーナーでそのことについて触れられていた。
読んでみると、ただただ羽生善治というひとに驚かされるばかり。とてもじゃないが、
この人の頭の中はどうなっているのかと思ってしまうのである。
以下その中の1部を抜粋させていただいた。
6月号で同じチェス好きの森内竜王が羽生名人(当時)のチェスについて語る。
竜王は羽生流のチェスがいかに恐るべきものか語り始めた。
「1番衝撃を受けたのは、郷田さんとの棋王戦を3勝1敗で防衛した(平成10年)その翌日に、
百傑戦(国内の主要チェス大会のひとつ)に出場したことです。それだけでも驚くのに、
なんと優勝してしまったんです。羽生さんにとって初めての大会出場だったのにですよ。」
羽生名人は、ジャック・ピノーさんにチェスの指導を受けていた。名人にとってピノーさん以外
のひとと指すことさえこのときが初めてだった。だが名人は師匠のピノーさんと引き分け、
日本一の渡辺暁さんに勝ってしまう。
「この大会のあと、渡辺さんは胃痛を起こして寝込んだそうです。ピノーさんもショックを受けていたようでした。」
竜王はいつぞやの佐藤棋聖のような呆れ顔になっていた。
「羽生さんのチェスには、将棋以上に勝負への執着心を感じるんです。引き分けになりそうな勝負でも、
状況や相手の力によっては踏み込んで勝ちにいく。
しかし、ふつう初めて大会にでた人間が本気で優勝しようなんて思いますか?僕なら一瞬も考えませんよ。」
自分よりも羽生名人が優ると思う点として、竜王は意外なものをあげた。
「体力が違うんです。チェスの大会は、長いものだと1日2局ずつ、4日連続で戦うこともあります。
順位戦が4日続くようなものです。(笑)僕なんかフラフラになりますが、羽生さんは平気なんです。」
羽生さんの体力のすごさについては僕も頷けた。
以前TVで羽生さんがチェスのパリ大会に出場したときのことを見たことがあるが、
羽生さんは4日連続で大会に出ながら、朝市に出かけたりしていた。大会で朝から夜まで考えてるのに、
どこにそんな体力が残っているのかと思ったものである。あんな細身な体なのにねー。”