円安の行く末

採録

日本の財政の危機的状況は、政府がこのほど発表した2013年度の92.6兆円の予算案を見ても分かります。既に歳出の約4分の1が国債の満期に伴う償還費及び国債の利払いです。歳入を見ても新規国債の発行が43兆円強と、税収を再び上回りかねない規模で、国債発行残高は昨年9月末時点で983兆円にも達する。
 国債利回りが3%程度に上昇した時に、明確な買い手を示すことができなければ市場は事態が収まったとは見ないので、日本政府は日本国債を買ってくれるところを探さざるを得なくなる。その時、日本が「日本の国債を買っていただけませんか」とお願いに行く先は、やはり米国になると思うんですね。
 米国は「分かった。同盟国である日本の窮地だ。ここは最大限協力しよう」と、恩を売る形で購入に応じてくれるでしょう。しかし、高齢化が進む日本では、その後の財政状況は当然のことながら容易には改善しない。その頃には対外債務国に転落しているわけで、米国が自らの財産を守るためにも、どこかの時点で日本に強制的な緊縮財政を強いてくることになる、というのが僕が想定する今後の展開です。
 結局、日本は、自ら制度の大変革を行うということができない国なんだと思います。行くところまで行って、明治維新、第2次大戦後に続いて3度目の米国による外圧によって大改革を進めることになるのではないでしょうか。