名人芸を磨く

循環器専門医が脈拍をとると
そんなに長く手を当てていなくても
脈拍数とか不整脈の具合とか血管硬化の具合とか
かなり正確にわかるという人がいる
それはひとつには
人間の感覚を事後に客観的なデータで訂正するフィードバックループが出来上がっているから
可能になることである

感覚→測定→照合→訂正

というループがあって、感覚は正確になるはずだ

お米屋さんが1キログラムを正確に測ったり
発酵関係の人は温度や湿度を正確に予測したりする

それらと同じような感覚の洗練が精神科医療にもあるのだけれども
なんとも伝えにくいもので
分かる人には分かるなどといってしまい
結局分かっていないのだろうと
分かっていない人に言われてしまう

それは掛け算が正しいかどうかと同じくらいの自明さで存在するものなのだけれども