CBTをSに使えるかというのは技法の拡張の問題で興味深い点がある
一見すると症状を悪化させそうなのでやめておきたい感じはする
しかし条件を整えて、トライするのならば、それはそれで意味があると思う
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昔の話、大きく神経症水準と精神病水準とに病態を分けて、
精神分析は神経症水準の病態に対して施行すると考えられた
しかしたとえばユングなどは精神病水準に対してもトライしていたし
フロイトもそうだった
最初に神経症水準の病態と考えられたものが
精神分析的操作をしていくと精神病水準に変容するケースが見られ、
境界型と呼ぶようになった歴史がある
精神分析は退行現象と関係し
退行を促進する側面があるので
ケースによってはこのようなことが起こる
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CBTの適応を拡大していくことで
どのような現象が起こるものなのか
未知の世界である
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幻聴で嫌なことを言われると嫌な気分に違いないので
不安が大きくなる
幻聴が消えれば一番いいけれども
まずは幻聴によって発生するる不安を小さくすることを
CBTの目標としていいのではないだろうか