不適応行動の治療-1

人間の精神的不調にもいろいろあるのだが

その中で、なぜだか、現在の状況にそぐわない行動をしてしまい

結果として不適応を起こしている人達がいる

現在の状況に応じた合理的な行動ができなくて

子供の頃に身につけたままの古い行動パターンで対処している人が多い

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まず、あなたの目的は何かをまず明確にする。目指しているが達成できないことは何かを明確にする。

その目的のための手段としてどのような行動を採用しているか分析する。

その手段がどのように不適応であるか理解する。

そしてその不適応行動の根源は人生初期つまり子供の頃の体験であったことを示す。 

子供の頃としては適切な行動であったものが、現在となっては不適切な行動であることを示す。 

その学習からいかにして抜けられるかを示す。

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学習には強い学習から弱い学習まで幅があり

概ね、強い学習は人生に数少ない機会にしか起こらない

強い学習は、同時に、訂正が困難ということでもある

したがって、学習を訂正していただくにあたっても、特別な工夫が必要になる。

今は「閉じて」しまっている強い学習回路を、訂正可能とするために「開く」必要がある 

そのために治療者との信頼関係を使い、薬剤の効果を使う

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たとえば

子供の頃親との関係で学習した行動パターンであれば

現在、かつての親と同等程度の信頼関係を築ける人間を相手にして、再度学習する

たとえば

思春期にホルモンのスパートがあって学習した行動パターンであれば

再度類似の状況を作り、学習すれば良い 

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人間に、一生に一度の学習は色いろあることがわかっている

そこで学習したことが

後の人生で役立たない場合、訂正が必要である

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以上は適応障害の問題であるが

精神病についても推論できる

概ね人間は、生まれた環境でドパミンレベルがセットされるし、行動パターンもセットされる

出産して子育てをして次の世代を育成するまで

たぶん30歳か40歳くらいまでの設定だろう

その範囲では大きな環境変化はないものとして設計されているのだと思う

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ところが近年では環境変化が激しい

ひとつには同じ場所でも環境が変化し

ひとつには人間が移動するのでその人にとっての環境が大きく変化する 

そういった環境では当然のことであるが不適応が発生しやすい

強い学習を訂正するほうが変化には強いのであるが

強い学習を維持することのメリットもまた大きいのであるから

ここには矛盾がありどちらが有利とも言えない面がある 

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産業革命と、地方農民の次男三男が都会に集まり社会を形成することは

表裏のことと指摘されている

子供時代に田舎でドパミンレベルと行動パターンがセットされた個人が

都会に住む場所を変えて仕事も変えて対人関係様式も変える

そこに発病の機会が発生する