そしてとうとうお友達は一人もいなくなりました

そしてとうとうお友達は一人もいなくなりました

ただ少しだけ幸せになりたかったのですが
どんどん不幸になりました

その頃やっとおじいさんが柴刈りから帰って来ました
おばあさんは何事もなかったかのように洗濯物をたたんでいました

桃太郎などというのは昔話で
今の二人には重い不幸な閉ざされた現実があるだけでした

二人で話を始めれば
どうしてもあの重い話をしなければなりません
だから二人は何も言いませんでした

業に翻弄される二人でした