本書では、自分のアイデンティティに即したコード(「規範」)に従うか否かが、大きく選好に影響を与えるモデルが提案されています。非経済的な選好がどうやって発生するかにメスを入れた、経済学と社会学を融合するような意欲的な一冊となっています。
行動経済学は利己的な個人という制約を緩め、より多様な選好を経済学研究に持ち込みましたが、依然として選好自体は所与としています。つまり、どのように選好が定まるか、というプロセス自体はブラックボックスに包まれています。一方、アイデンティティ経済学では、どういった社会的な環境・文脈が選好を形成するのか、というよりファンダメンタルな問いに答えようと試みています。現状では、選好形成の鍵となる「規範」が完全にアド・ホックに与えられているのが大きな問題ですが、このアプローチ自体は可能性を秘めていると思います。
こんな書評
私は当然読んでいないが
アイデンティティという懐かしい言葉
今でも言う人がいるんですねえ
精神医学の本家筋では廃れていますが
真言のマントラのようなものかな
効果を発揮したらしいと誰かが言い
効果がないといえばダメなやつと公言していることに等しく
効果があると言って良心を麻痺させる
しかし時間がある程度検証してくれる
精神科病院の奥の部屋で
意味がありそうななさそうな哲学的な呪文のような
難解な用語の結合の文章を大量に生産している人がいた
それ以来私としては
意味のはっきり分かる文章が好きだし
画像にできるし
図解できる文章を目指している