雅房大納言は、才賢く、よき人にて、大将にもなさばやと思しける比、院の近習なる人、「たゞ今、あさましき事を見侍りつ」と申されければ、「何事ぞ」と問はせ給ひけるに、「雅房卿、鷹に飼はんとて、生きたる犬の足を斬り侍りつるを、中墻の穴より見侍りつ」と申されけるに、うとましく、憎く思しめして、日来の御気色も違ひ、昇進もし給はざりけり。さばかりの人、鷹を持たれたりけるは思はずなれど、犬の足は跡なき事なり。虚言は不便なれども、かゝる事を聞かせ給ひて、憎ませ給ひける君の御心は、いと尊き事なり。 大方、生ける物を殺し、傷め

雅房大納言は、才賢く、よき人にて、大将にもなさばやと思しける比、院の近習なる人、「たゞ今、あさましき事を見侍りつ」と申されければ、「何事ぞ」と問はせ給ひけるに、「雅房卿、鷹に飼はんとて、生きたる犬の足を斬り侍りつるを、中 … Read more 雅房大納言は、才賢く、よき人にて、大将にもなさばやと思しける比、院の近習なる人、「たゞ今、あさましき事を見侍りつ」と申されければ、「何事ぞ」と問はせ給ひけるに、「雅房卿、鷹に飼はんとて、生きたる犬の足を斬り侍りつるを、中墻の穴より見侍りつ」と申されけるに、うとましく、憎く思しめして、日来の御気色も違ひ、昇進もし給はざりけり。さばかりの人、鷹を持たれたりけるは思はずなれど、犬の足は跡なき事なり。虚言は不便なれども、かゝる事を聞かせ給ひて、憎ませ給ひける君の御心は、いと尊き事なり。 大方、生ける物を殺し、傷め


“ 一言で言うと相手を信用する。それが秘訣。 今まで妻の言動に腹が立つ事がよくあったのだが、ある本を読んで、その中に書いてあった、 「その人と全く同じ人生を歩んだら、まったく同じ行動(ここでは腹立たしい言動)をするだろう」 という内容。たまたま、自分はその人とは違う人生を歩んだだけで、同じ立場ならきっと同じ事を するだろう、と。 それを意識するようになって、妻の話をよく聞くようになった。 するといつも彼女は懸命に生きて、懸命に物事をこなしていることに気がついた。 どんなに腹立たしい事があ

“ 一言で言うと相手を信用する。それが秘訣。  今まで妻の言動に腹が立つ事がよくあったのだが、ある本を読んで、その中に書いてあった、  「その人と全く同じ人生を歩んだら、まったく同じ行動(ここでは腹立たしい言動)をするだ … Read more “ 一言で言うと相手を信用する。それが秘訣。 今まで妻の言動に腹が立つ事がよくあったのだが、ある本を読んで、その中に書いてあった、 「その人と全く同じ人生を歩んだら、まったく同じ行動(ここでは腹立たしい言動)をするだろう」 という内容。たまたま、自分はその人とは違う人生を歩んだだけで、同じ立場ならきっと同じ事を するだろう、と。 それを意識するようになって、妻の話をよく聞くようになった。 するといつも彼女は懸命に生きて、懸命に物事をこなしていることに気がついた。 どんなに腹立たしい事があ


不幸の玉突き

ある夫婦が不幸だったとする 夫は氷のように冷たい妻について同僚の女医に語る 女医は抜き差しならない関係になりその事をまた別の男性に話す その男性と女医もまた抜き差しならない関係になるその男性の従来からの愛人がそれに気づき … Read more 不幸の玉突き