“ ここ10年ほど、小学生の体力測定の数値がちょっとずつ下がってきていた。その原因はモチベーションにありました。勝つどころか、勝とうと思っているのを見せるだけでもいじめられるので、みんなが勝つか負けるかぎりぎりのところを狙って、抑制して走る。 武田すごい状況ですね……。 平田そこで、最近の体育の授業では、勝ち負けではないモチベーションを引き出す教育の模索が始まっています。先ほどの先生ユーザーと生徒ユーザーのお話のように、跳び箱を飛べた子が、飛べない子に「なぜ飛べたのか」を言語で説明する試みも行われ

ここ10年ほど、小学生の体力測定の数値がちょっとずつ下がってきていた。その原因はモチベーションにありました。勝つどころか、勝とうと思っているのを見せるだけでもいじめられるので、みんなが勝つか負けるかぎりぎりのところを狙って、抑制して走る。
武田すごい状況ですね……。
平田そこで、最近の体育の授業では、勝ち負けではないモチベーションを引き出す教育の模索が始まっています。先ほどの先生ユーザーと生徒ユーザーのお話のように、跳び箱を飛べた子が、飛べない子に「なぜ飛べたのか」を言語で説明する試みも行われています。これは、国語教育と体育教育を結びつける好例でもあります。そうすれば、互いに尊敬もできるし、体育の力もついていく。
インセンティブといっても、ニンジンをぶら下げて走らせるのではなくて、感謝や社会とつながっている感覚、そういったものが大切なんですね。