徒然草5段:不幸に憂(うれえ)に沈める人の、頭(かしら)おろしなどふつつかに思ひとりたるにはあらで、あるかなきかに、門(かど)さしこめて、待つこともなく明し(あかし)暮したる、さるかたにあらまほし。顕基(あきもと)中納言の言ひけん、配所(はいしょ)の月、罪なくて見ん事、さも覚えぬべし。 ーーーーー 不幸で心配に沈んでいる人(出世の望みのない貴族)でも、剃髪して出家することを軽々しく決心したのではなくて、門を閉じて自邸の中にひきこもり、やることもなく日々を暮らしている。そういう人(世捨人・隠棲者)になりたい

徒然草5段:不幸に憂(うれえ)に沈める人の、頭(かしら)おろしなどふつつかに思ひとりたるにはあらで、あるかなきかに、門(かど)さしこめて、待つこともなく明し(あかし)暮したる、さるかたにあらまほし。顕基(あきもと)中納言の言ひけん、配所(はいしょ)の月、罪なくて見ん事、さも覚えぬべし。
ーーーーー
不幸で心配に沈んでいる人(出世の望みのない貴族)でも、剃髪して出家することを軽々しく決心したのではなくて、門を閉じて自邸の中にひきこもり、やることもなく日々を暮らしている。そういう人(世捨人・隠棲者)になりたいものだ。顕基・中納言(源顕基)は『無実の罪で流された場所から月を眺めていたい』と語ったとされるが、(世俗を離れたい)私もそのように思っている。
ーーーーー
高等遊民のようなものであろう。親の財産で無為に暮らしている人はいくらでもいて、それでは世間体が悪いということで、大学の教官になったりしている。
無為自閉、感情平板化の類型は昔からいたもののようだ。