認知症の介護・生活障害に対するSST的工夫

認知症のおばあちゃんが不穏になって大声で騒いでしまうので

家族は困る
どうするかという問題
お薬を使えば早い解決だけれど
こんな話もありますよということで
紹介されていたのが次のような例
おばあちゃんは書くことが好きで自分史を作って印刷していた
たまに見返していた
不穏になったときは「おばあちゃん、これ、おもしろいよ」と
自分史を見せて誘う
すると読み始めて
ややまあ、私に似た感じの人なんだねえなどと言いながら
しばらく落ち着いてくれる
頃合いを見てお風呂に誘う
お風呂の中では「となりのいやな人が話を聞いているといけないからひそひそ話をしよう」と言って
小さな声で話す
するとさっきまで叫んでいたのに対して、おばあちゃんはずいぶんと落ち着く
こちらも落ち着く
風呂から出てもひそひそ話で続けると興奮しなくてすむ
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今昔物語 27、23のあたり 老婆が鬼になる話 最後は老婆についていた狐がとれてもとの老婆に返る
このあたりは認知症のBPSDではないかとの指摘
またカッパドキアの昔話 2500年前のこと
広大な土地を持っていた人が年をとって親戚の誰をも認知できなくなり誰も信じられなくなり
娼婦に財産をだまし取られる話
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トイレで粗相が多いとき、便座に座るとき、反対に座っている例がある。
和式トイレだとそう思うかなという感じ。
尿と便を出すときに先に尿が出てパンツをあげた後で便が出たり
認知症の人は行動が思うようにいかないし
時には粗暴になるし困ることがある
何度言っても言うことを聞いてくれない
そんなときまず介護している自分が落ち着かないといけない
深呼吸する
便コネの後片付けをするとして儀式として何をするのか決めておくなど
音楽をかけてもいい
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音楽といえば高齢者は軍歌が好きだ
音楽療法というものの大半は軍歌になるこの悲しさ
そしてテンション上げていくぞというときは軍艦マーチだ
パチンコ屋と同じそれも悲しい
機嫌の悪いおじいちゃんにオクラホマミキサーを聴かせるとおとなしくなる例もある
人生のはじめ、最初に初恋の女の子の手を握った楽しい思い出と結びついているらしい
おばあちゃんは困るとこの手を何度も使うのだといいCDを用意している
そして驚くべきことに何ででも必ずおじいちゃんは機嫌がよくなる
いったいどういうことなのか二重におばあちゃんは暗然とする
お年寄りは口にご飯を入れてもらっても
飲み込まないでそのまま口にためてしまうことがある
ゴックンよといってもうまくできない対策としては
普通の固さのものととろみのついたものとを交互に与える
また、口が止まってしまったときには
頬をとんとんとタップするすると飲み込むことがあるという
いろいろな工夫があるものだ
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右手で箸を持って食事をしていてこぼして食卓を汚してしまう人がいる
これはたいていは左手の運動障害があるのだそうだ
そこで少しずつでも左手を使って欲しいので
お茶とか味噌汁をマグカップに入れて左側に置く
そしてマグカップの取っ手を左側に向けておく
すると自然に左手を使うようになる
こぼす人に対しては左に背の高い食器、そして順に右に背の低い食器を並べると
食べ汚しが少なくなるのだということらしい